注文住宅を建てるとき、無垢床にするか合板や突板フローリングにするかとっても迷いました。
結果的に憧れだった無垢床を採用してとっても満足しているのですが、天然素材ならではのデメリットがあることにも気が付きました。
私は無垢床のデメリットは天然ならではのことなので許容範囲です。
でもきっと人によって感じ方は異なるのかも。
- 無垢床のデメリットになりうること
- 発生した無垢床の隙間やひび割れ
- まさかの床に穴が開いた話
など実体験のトラブルを交えながら、無垢床を使った際に起こりえるデメリットについてまとめてみます。
無垢床のデメリットを考えてみる
以前、「無垢床にして良かったこと」という記事を書いたのですが、改めてそのとき無垢床にしたことで後悔したことはないと感じました。
でも、人によってはこれはデメリットになるのでは……というトラブルも実はあります。
湿度によって無垢床は膨張・収縮する
天然の木材を切り出して作った無垢フローリングは、部屋の湿気を吸ったり吐いたりしています。
調湿性があって快適な環境に導いてくれるメリットなのですが、これが湿気がひどい夏と乾燥が激しい冬にはデメリットになることも。
▼湿気の多い夏は無垢床が湿気を吸って膨張する
梅雨から夏にかけて、日本はジメジメした湿気が気になる時期。
この時期、無垢床は部屋の湿気を吸い取ります。
そうすると、無垢床は膨張していきます。
我が家の場合、無垢床の施工がちょうど6月~7月頃の梅雨時期にかかっていました。
完成して引渡しが8月末。
そのときの無垢床の状況はこんな感じでぴったりキレイに収まっていました。
この年は、梅雨の雨量が多く台風も直撃したりして、とにかく湿気がひどかった……。
だから、このときの無垢床はたっぷり湿気を吸い込んだ状態だったと思います。
▼乾燥する冬は湿気を放出して収縮する
空気が乾燥してお肌がカサカサになってしまう冬は、無垢床も乾燥します。
夏に吸い込んだ湿気を放出してしまうんですね。
そうすると、無垢床は収縮していきます。
夏に引渡ししてもらった無垢床も、真冬の乾燥に耐えられずどんどん痩せていきました。
真冬時期の写真を撮り忘れてしまったのでイメージ画像ですが、このようにフローリングの間に1~2mmくらいの隙間ができてしまいました。
場所によっては3~4mmくらいの隙間になってしまったところも。
▼無垢床の施工時期によって”暴れ”が発生する
このように、無垢床は湿気を吸ったり吐いたりすることで膨張・収縮します。
工務店からも「無垢床は”暴れ”があるよ~」と言われていました。
我が家は夏に施工したので、その間に湿気を吸った無垢床が冬に縮んで隙間ができるという現象が起こりました。
その逆で、冬に施工した住宅の場合、無垢床は乾燥した状態なので夏になると膨張して床が浮き上がり、凸凹ができるということもあるそうです。
これを無垢床の”暴れ”と呼ぶそうです。
ちなみに……
冬の間にできた隙間は、今この記事を書いている8月にはすっかりなくなりました。
もう一度、湿気がたくさんある梅雨や真夏を向かえて、無垢床が湿気を吸って元通りになりました。
こちらは、今のフローリングの状態です。
一度、心配になって工務店の方に相談したのですが、わが家の隙間はまだ軽い方でとりあえず夏まで様子見てください、とのことでした。
冬は加湿器などを使って、なるべく部屋の湿度を上げるようにアドバイスをもらいました。最低でも湿度40%をキープしてくれとのことでしたが、なかなかこれが難しかった……。
来年はもっと大容量の加湿器を導入予定です。
この膨張・収縮何度か繰り返すことで、徐々に落ち着いてなじんでくるそうです。
とりあえず元通りキレイな状態になって良かった!
天然ならではの色ムラや節が気になることも
無垢床は、天然木を切り出しているので、合板プリントのフローリングのように色や木目模様が一定になりません。
色ムラや節が、天然らしいおしゃれな雰囲気を演出してくれるのですが、人によってはこの不揃い感が気になる場合もあるかも。
節が大きい部分は、所々パテで平らに加工している箇所もあります
ひとつひとつのフローリングをどこに設置するかなんて、いちいち指定はできないので、木目模様の出方も大工さん任せ。
お願いした大工さんは、LDKの無垢フローリングは明るめの色、寝室の無垢フローリングは暗めの色に分けて施工してくれたみたいで、部屋によって若干色合いに違いがありますが、色のランダムさは抑えられています。
腕の良い大工さんに出会えてラッキーでした。
もし、この天然素材の不揃いさが気に入らないなら、無垢床はやめた方がいいかもです。
事件! 無垢床に穴が開いた!
無垢床の特性を理解して事前に了承していれば、膨張・収縮による暴れや、節や色ムラによる不揃い感がデメリットに感じることは無くなるはずです。
でも、入居してすぐにちょっと特殊なトラブルがありました。
ある日突然、無垢床に穴が開いた
空気が乾燥してくる秋から冬にかけて、ある日突然、無垢床に2~3cmほどの穴が開いてしまいました。
そのときの写真が無くなってしまったのでイメージ画像ですが、こんな感じでボコッと穴が開きました……。(泣)
▼虫食いによる無垢床の空洞が原因
好奇心旺盛な主人が、穴の中を爪楊枝でほじくってみると……中からミイラ化した虫さんが出てきました!
ぎょっとしますよね。
無垢床を加工するとき虫が入ったのか、もともと虫がいた場所が運よく外れてそのまま加工されたのか不明ですが、この虫がいた空洞が、上を歩くなどの重さの刺激に耐えられず穴になったみたいです。
虫は完全にミイラ化していたので、相当長い時間この床の中に眠っていたんだと推測できます。
▼プロの補修屋さんに直してもらって解決!
穴にゴミが溜まりそうだし、猫もいるのでイタズラされたら困るので、すぐに工務店に相談して補修してもらうことにしました。
パテで穴を埋める補修をしてもらったのですが、その仕上がりが驚くほど自然でキレイ。
どこに穴があったかまったくわかりません!
木目模様もしっかり再現されていて、その技術に驚きました。
今ではもう、どこに穴があったかわからないほどです。
ひび割れも発生!
乾燥によるものなのか、ささくれから広がってしまったのか原因はわかりませんが、ひび割れも一箇所発生しています。
無垢床のひび割れは、放っておくと広がってしまう恐れもあるそうです。
この程度のひび割れなら、DIYで直せそうなので、今度チャレンジしてみようと思っています。
天然素材の無垢床はデメリットと上手く付き合うことが大切
発生したトラブルを元に、無垢床を採用することでデメリットになりうる事象をまとめてみました。
どれも、天然素材の無垢床だからこその問題ですが、事前にこのことをしっかり理解していればそこまで大きなトラブルにはならないと思います。
無垢床はデメリット以上にメリットがたくさんある建材なので、上手く付き合って快適な空間を作るのがおすすめ。
いろいろありましたが、無垢床を採用して本当に満足しています!
もし、特性を許容できるならぜひ無垢床を採用してほしいと思います。
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