天然素材の珪藻土の壁は、注文住宅を建てる際に導入するかかなり迷ったアイテムです。
憧れはあったのですが、良い所もあれば悪い所もある。そのバランスがクロス(壁紙)と比べてどうなのか。
そんな検討をした結果、わが家では「珪藻土の壁」を導入しました。
- 珪藻土の壁のメリット
- 珪藻土の壁ならではのデメリット
- 珪藻土の壁が向かない場所
など、工務店から頂いたアドバイスや住んでみた感想を元にまとめてみます。
珪藻土の壁のメリットは?
珪藻土の壁は、クロスでは実感できないたくさんのメリットがあります。
まずは、珪藻土の壁にして良かった点をご紹介していきます。
珪藻土のしっとりとした躍動感ある見た目が素敵
珪藻土の壁は、”塗り壁”なので、クロスのように一定の柄合いではなく完全オリジナルの質感が楽しめるのが良い所。
また、マットなしっとりした質感で高級感があります。
塗り方にもよりますが、ちょっと大きめの畝を作ってもらって、落ち着き感の中に躍動感のある雰囲気にしてもらいました。
光の当たり具合で、ほんのりランダムに影が生まれるので、奥行きのあるおしゃれな空間に。
シックな雰囲気で、部屋にいる時間のテンションが上がります。
調湿・消臭効果が期待できる
珪藻土の壁のメリットで、一番良く言われているのが「調湿性」についてではないでしょうか?
この「調湿性」に惹かれて珪藻土の壁に決定しました。
そもそもなぜ「調湿性」があるのかというと、珪藻土には無数の小さな穴が空いていて、その穴が湿気を吸ったり吐いたりすることで部屋の湿度を一定に保とうとしてくれるから。
「消臭」に関しては、臭い成分が空気中の湿気に混ざって珪藻土に取り込まれるので、結果的に効果があるということに。
同じように穴が開いていて調湿・消臭効果があるものといえば”炭”を思い浮かべますが、珪藻土の穴の数は炭の約5500倍なのだとか!
猫の爪とぎ対策に◎
もうひとつ、珪藻土の壁を採用した理由に、猫との暮らしがあります。
猫と暮らすときに切っても切れないのが「爪とぎ問題」。
クロスの壁は、猫にとって格好の爪とぎ場所です。
せっかく注文住宅を建てたのに壁が爪跡だらけだと悲しくなりますよね……。
また、ペットと暮らす際に気になる臭いに対しても珪藻土が有効だと思い導入に踏み切りました。
・調湿&消臭効果
・猫の爪とぎ対策に◎
珪藻土の壁ならではのデメリット
良いことばかりと思われがちな珪藻土の壁ですが、一方でデメリットもあるのが事実。
次は、実際に住んでみて感じたデメリットをまとめてみます。
ただ、考え方によっては納得できることばかりなので、珪藻土の導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。
珪藻土はひび割れが起こりやすい
まず、珪藻土の壁で心得ておかなければならないのが、ひび割れ(クラック)です。
わが家の珪藻土の壁も、入居1年でこんな感じでひび割れしています。
これは、キッチンカウンター下の珪藻土です。
カウンター板の角の部分から床に向かってひびが入ってしまいました。
こちらは、階段と珪藻土の設置面にできたひび割れです。
階段は、全体的にこのようにひびが入ってしまいました。
これは、施工不良が原因ではありません。
↓
それと同時に珪藻土のひび割れも発生。
という感じだったので、真冬の乾燥が一番の原因だと考えています。
木材が縮んだ分の動きに耐えられなかった珪藻土にひびが入ったようです。
この現象は、珪藻土の壁に決めたときに工務店からも説明されていました。
実際に珪藻土の壁を見せてもらって、事前にクラックについて話を聞いていました。
もし、知らずに珪藻土を導入していたらパニックになっていたかも(笑)
珪藻土は「ひび割れが起こる」ということを頭に入れておくことをおすすめします。
実際に補修してみたときのお話をこちらの記事にまとめたので、もしご興味があればご覧ください。
↓
◇ 珪藻土の汚れとひび割れを補修する方法【思ってたより簡単!】
クロスよりもコストが高い
珪藻土は、左官工事が必要なためクロスよりもコストが高いです。
珪藻土の壁にしたのは、2LDK+ロフトの家で、洋室2部屋・洗面所・トイレ以外全てです。
だいたいですが、クロス(壁紙)で家全体を仕上げるよりも40万円ほどコストアップしました。
ただ、やはり良いものなのでお金がかかってしまうのは仕方ない。
クロスよりも珪藻土の壁のほうが固定資産税も高い……!
これは、市役所の職員さんが固定資産税の家屋調査に来たときに初めて知ったのですが、珪藻土の壁(というか塗り壁全般)は、クロス仕上げに比べて固定資産税が高いそうです。
し……知らなかったーーーーーー!!!
といっても、年間数千円の差くらいなので、固定資産税を理由に珪藻土を諦めるのはもったいないかも。
珪藻土は塗り直しが素人には難しい
珪藻土の壁は、小さなひび割れの補修くらいなら素人でも可能ですが、壁全体の塗り直しとなると素人には難しいです。
クロスなら、けっこう気軽に素人でも張替え可能ですよね。
珪藻土はそれが難しいので、部屋のイメチェンもちょっと難しい。
下地処理から左官技術まで、やはり職人さんの手を借りないとならないので、リフォームを考えたときにちょっとコストアップしてしまうかもしれません。
・クロスよりも施工コストが高い
・固定資産税も少し上がる
・広範囲の塗りなおしが素人には難しい
珪藻土の壁に向かない場所は?
珪藻土の壁に向かない場所はあるのでしょうか?実は、珪藻土は万能ではないので、あまり設置しないほうが良い場所もあります。
ちなみにわが家が珪藻土の壁を採用した場所は、
- リビングダイニング(LDK)
- 廊下~階段
- 玄関
- ロフト
です。
逆に、珪藻土の壁ではなくクロスにしたのは、
- トイレ
- 洗面所
- 仕切られた洋室2部屋
- クローゼットや収納内
です。
設置しなかった場所についてまとめてみます。
クローゼットは珪藻土の壁は向かない
設計当初、一番 珪藻土の壁にしたかった場所は実はクローゼットでした。
仮住まいのアパートの湿気がひどく、クローゼット内のカビに悩まされていたので、珪藻土の調湿性でクローゼット内の環境を整えたかったからです。
でも、「クローゼット内は珪藻土にしないほうがいい!」と工務店に言われました。
なぜかというと、珪藻土の壁は服がこすれたりすると白い粉が付いてしまうことがあるそう。
私はもっぱら黒い服ばかりなので、白い粉だらけになったら困ります。
なので、クローゼット内は調湿性が期待できる ”エッグウォール”という卵の殻を使ったクロスで代用しました。
向いてそうな洗面所・トイレも、実は相性があまり良くない
お風呂に繋がる洗面所も珪藻土の調湿性を活かしたい空間ですが、実はあまり相性が良くありません。
珪藻土は、汚れを拭き取ることが難しいからです。
洗面所やトイレなど、水や洗剤がどうしても飛び跳ねてしまうところは、さっと拭き掃除できるクロスのほうが掃除が楽になります。
調湿性をどうしても活かしたいなら、壁を上下に分けて、水がはねる下部分はクロス・上部分だけ珪藻土にしたり天井のみ珪藻土にするのがいいかも。
わが家は見た目とコストの問題で珪藻土の壁は諦めました。
色つき珪藻土の壁は避けたほうが無難らしい
壁にアクセントカラーを使いたい場合も、珪藻土は避けたほうが無難と工務店からアドバイスをもらいました。
色つき珪藻土は、塗るたびに若干の色差が出るからです。
だから、ひび割れの補修をしたときに色が不自然になってしまうことも。
この理由で、アクセントカラーを取り入れたかった洋室は珪藻土をやめてクロスにしました。
珪藻土を塗った部分は、すべて白で統一しています。
・トイレや洗面所はお掃除のことを考えるとあまり向いていない…
・壁にアクセントカラーを使うならクロスの方が無難
メリット・デメリットありますが……「珪藻土の壁」を採用して大満足
実際に住んでみて感じた珪藻土の壁のメリット・デメリットをまとめてみました。
こうして改めて振り返ると、意外とデメリットが多い気がしましたが……(笑)
やっぱり、落ち着いた高級感のある空間に導いてくれる珪藻土は、採用して良かった!
もし、珪藻土の壁にしようか悩んでいる方には、ぜひおすすめしたいです。
珪藻土ならではのデメリットが許容できるのであれば、部屋の雰囲気もおしゃれになるし採用して損はありませんよ^^
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