横すべり出し窓・縦すべり出し窓って? 違いとメリット・デメリット

注文住宅の設計時に、意外とつまずきやすい点が「窓」。実家の築年数が古い一戸建てや賃貸住宅で、引き違い窓しか扱ったことがないという方も多いのではないでしょうか?

私も注文住宅を作るうえで、

  • 横すべり出し窓
  • 縦すべり出し窓

という存在を初めて知りました。(お恥ずかしい限りですが……。)

そこで、両者の窓の見た目やそれぞれの特徴、使い心地をまとめてみます。

 

横すべり出し窓とは?

横すべり出し窓の開き方はこんな感じ

横すべり出し窓の開き方はこんな感じです。

この持ち手をクルクル回して開けます。

図面での横すべり出し窓

設計図上での横すべり出し窓の表記はこんな感じです。

正直、図面を見てもなんのこっちゃわかりません……。

図面だけでイメージできなかったので、実際に窓が設置されるまでどんな感じか不安でした。

ちなみに、下に書かれている「ト」は、透明窓の意味です。

 

横すべり出し窓の特徴

横すべり出し窓は、閉めた状態だと枠にしっかりはまるので、今の高気密・高断熱の木造住宅にピッタリな窓。我が家も小窓はほとんどが横すべり出し窓です。

実際に使ってみて感じたメリット・デメリットはこんな感じです。

▼横すべり出し窓のメリット3つ

① 窓を少しだけ開けたいときに、調節が簡単

これは特にお風呂の窓で感じたことですが、暑くてのぼせそう!というときに横すべり出し窓を少しだけ開けて外の空気を取り込めます。

少し開けただけなら、外から見えないのもポイントです。

空気を入れ替えたいけど防犯面が心配、というときも安心な気がします。(不在時はもちろん閉めていますが。)

曇りガラスにしておけば、さらに室内が見えてしまう心配も少なくなるのでプライバシーも保てます。

 

② 雨が降っていても窓を開けられる

雨の日に窓を開けていても、雨が吹き込みにくいのもメリットに感じた点です。

ガラス部分が開口部に覆いかぶさっている状態なので、相当強い風が吹いていない限り雨は吹き込んできません。これが引き違い窓だったら水浸しです……。

 

③ 見た目がスタイリッシュ!

何事も見た目は大事! 横すべり出し窓は1枚のガラスで開け閉めできるので、無駄な段差も途中で分割される線もありません。

四角いガラスが壁にピタッと張り付いているようなミニマルな見た目がスタイリッシュ!(上手い言葉が見つかりませんが、とにかくカッコイイんです。)

 

▼横すべり出し窓のデメリット3つ

① 風があまり入ってこない

先ほどメリットとして、雨が吹き込まないという点を上げましたが、晴れた日は逆にガラスが邪魔になってあまり風が入ってこない気がします。

ベランダの大きな引き違い窓からは気持ち良い風が入ってくるのに、同じ方角に設置されている横すべり出し窓からはあまり感じません。

風の強い日でも横すべり出し窓からはあまり風が入ってこないので、外の空気を吸いたいときは、ちょっと物足りないです。

 

② 掃除が難しい

横すべり出し窓は、外側のガラスの掃除がしにくい……というか、ほとんどできません。

メーカーによっては、掃除がしやすいように90度開くものもあるみたいですが、我が家の窓はおそらく無理。(もう一度ちゃんと調べてみます……。)

我が家の横すべり出し窓は全て曇りガラスなので、汚れが目立たないという点は助かりました。これが透明ガラスだったら……水垢やほこり汚れでひどい状態だったはず。

 

③ 網戸が猫の爪に引っかかって穴だらけ……

横すべり出し窓は、引き違い窓とは網戸の位置が違います。

サッシの内側(屋内側)にピタッと張り付いているデザインです。これが猫と生活しているとデメリットになります。

とにかく、猫の爪が引っかかります。そして穴が開きます……。(泣)

虫さんがやってきたときは、本当に大変です。しかも普通の金属ワイヤーのような素材ではなく柔らかいナイロン糸のような網戸なので本当に簡単に穴が開きます……。

本当に柔らかい素材で、猫の爪でこんな風に穴が開いてしまいます……。これは、引越しして三日後くらいにやられました。(泣)

もしペットの爪で穴が開いてしまうのを防ぐことを重視するなら、ペット用の硬い素材の網戸を採用したり、網戸が外側についている引き違い窓を選ぶほうがおすすめ。ただペット用の網戸は、普通の網戸よりもコストアップするので注意です。

網戸の穴開きは、万が一大きな穴が開いてしまったときにペットの脱走も心配です。もし、ペットを室内飼いするならしっかり検討したほうが◎。

 

まとめてみたら、意外とデメリットが多かったですね(笑)

でも引き違い窓をつけるより、断然良かったのは事実です!

 

縦すべり出し窓とは?

次は、縦すべり出し窓についてお話します。

縦すべり出し窓の開き方はこんな感じ

縦すべり出し窓の開き方はこんな感じです。

持ち手も横すべり出し窓と同じく持ち手をクルクル回します。

図面での縦すべり出し窓

設計図上での縦すべり出し窓はこんな感じです。

こちらは、開いた窓が描かれているのでちょっとイメージしやすかったです。

ちなみに「カタ」というのは曇りガラスのことでした。

縦すべり出し窓の特徴

縦すべり出し窓も、横すべりと同じく気密性の高い現代の木造住宅にぴったりな窓。閉じた状態の見た目もカッコイイです。でも開き方が違うので、また違ったメリット・デメリットがありました。

▼縦すべり出し窓のメリット

風がたくさん入ってきて気持ちがいい!

縦すべり出し窓は、とにかく風をたくさん取り込んでくれます。

窓を開けた状態だと、ガラス部分に風が当たって部屋の中に入り込むように誘導してくれます。

引き違い窓だと、風向によっては全く風が入ってこないことありますよね。そんなときも、縦すべり出し窓なら上手いこと風を取り込んでくれます。

 

これは横すべり出し窓にはないメリットです。

確かに、我が家は縦すべり出し窓が向かい合うように設置されていて、両方開けると風がスーッと通ります。

あと見た目がスタイリッシュなのは、横すべり出し窓と同じくメリットです。

▼縦すべり出し窓のデメリット

窓をたくさん開けると外から丸見え

縦すべり出し窓は、最大90度の角度までガラス面を開けることができます。が、ここまで開けると外から丸見えです。

我が家の縦すべり出し窓は2ヶ所あって、透明ガラスと曇りガラスを一つずつ設置しています。曇りガラスの方はカーテンはつけていません。だから、最大まで開け放つことはなかなかできません。

 

風の強い日はガラスが壊れてしまわないか不安

縦すべり出し窓は、”開いたガラス面に風が当たって部屋の中に誘導してくれる”と先ほどメリットでお話しましたが、これが強風になるとデメリットになります。

強風が当たると勝手にガラス面が開いていってしまいます。いきなり突風が吹いたら、窓が壊れてしまいそうでちょっと不安です。

だから、外の気候に合わせて調整しながら開けています。横すべり出し窓よりもちょっとデリケートかも。

 

掃除がしにくい点と、猫の爪が網戸に引っかかる点は、横すべり出し窓と同じデメリットです。

縦すべり出し窓もまとめてみたら、デメリットが結構多い……。それでもやっぱり引き違い窓よりはいい! だって見た目がカッコイイですから。

 

家を快適な空間にするために窓の位置は重要!

我が家は、窓の設計については採光や風通しを重視したかったのですが、正直どの位置にあれば最大限良い状態になるのか全く分からなかったので、ほぼ設計士さんにお任せでした。

だから、横すべり出し窓も縦すべり出し窓もすべて設計士さんのおすすめ通り設置。その際、しっかり風の通り道について説明もしていただきました。

実際に住んでみたら、それぞれの窓の良さを最大限に引き出しつつ、家の中を快適にしてくれる窓の位置で大満足です。

もしこれから注文住宅を建てるという方は、今一度、設計士さんと窓の位置や種類について確認すると安心ですよ。

腕の良い設計士さんなら、きっと最善の策を打ってくれるはず!

 

関連記事

◇ 26坪の家の間取りを公開! 快適な生活動線や広く見せる工夫